でかいベッド

 もしも、世界中のみんながいなくなって地球上に僕一人になったとしたら、僕は世界で一番大きくて広いベッドを使うことが出来るだろう。日本列島を覆うような大きさでも、大陸丸ごと覆うようなベッドでも、僕は一人で広々と眠ることが出来るのだ。寝返りも打ち放題だし、他人に布団を取られる心配もいらない。

 

 ただ、広いベッドに一人で横になった時僕は宇宙で一番孤独を感じるのだろう。他人の温もりの無い静かなベッドで独り、寂寥感に苛まれるのだ。宇宙の静寂に包まれて眠るくらいなら誰かと窮屈に、掛け布団を奪い合いながら騒がしく夜を明かしたいのだ。